阿寒湖の魅力3 マリモは何を考えているのだろう

阿寒湖の魅力3
マリモは何を考えているのだろう

数千個どころではない。数万個でもない。1997年に阿寒湖の北側のチュウルイ湾とキネタンペ湾で行なわれた実態調査によれば、1センチに満たないものから直径25センチ以上のものまで、この2カ所だけで大小合わせて6億個(!)を超えるマリモの分布が推定されるという。その光景をイメージできるだろうか? なぜ、何のために、という疑問こそ愚問というべきで、「自然だから」と自然は答えるのみだろう。おそらく何千年もの間、湖底に秘匿されていたこの“湖の宝石”の存在が初めて世に知られたのは、1898年に当時の札幌農学校の学生川上瀧彌が発見したことによる。マリモは学術的にも貴重なものとして1921年に天然記念物(1952年に特別天然記念物)に指定され、阿寒湖の永遠のシンボルとなった。多くの人の心の中では、阿寒湖全体よりもこの直径20センチほどのマリモの方が大きな位置を占めているかも知れない。

マリモの生態

阿寒湖のマリモは、光の届く水深2〜3メートルのところで光合成をしながら生息している。表面の部分は球体を保ちつつ、光合成によって外へ外へと成長していき次第に大きなマリモとなっていく。とはいえ、先の調査でも6億個のうち25センチ以上の大型のマリモは3,000個程度であり、人間の時計でその成長の速度を測ってはいけない。

マリモと呼ばれるものは、実はこれまで北半球の緯度の高い各地で存在が確認されてきた。しかし、長年の研究によって、球状マリモが群生しているのは阿寒湖とアイスランドのミーヴァトン湖だけ、しかもこれほど大きく見事な球体は阿寒湖だけであることが判明している。阿寒湖の場合は、複雑な噴火によって入り組んだ湖岸と島々が形成され独特の水の流れができたこと、特に北岸のチュウルイ湾とキネタンペ湾は入り江となっており堆積した土砂で遠浅の砂浜が広がっていること、さらに森や川から流れ込む清冽な水や温泉の湧出があることなど、奇跡的に好条件が揃っていた。神々はここでも阿寒という地を選び、森と湖と火山によって世界的にも貴重なトーラサンペ=マリモのゆりかごを用意したのである。

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