インタビュー

釧路湿原ネイチャーガイド・釧路川カヌーガイド
斉藤 松雄Matsuo Saito

悠久なる釧路湿原の一刻を愛しみながら。
1年中がベストシーズンだから何度も来たくなる

「釧路湿原のベストシーズンはいつですか」。ツアー客に問われるたび、斉藤さんはいつもこう答えている。「今です」。
なぜならば、釧路湿原は日々移ろうごとに異なり、いつもピークの彩りと息吹をたたえているから。同じ日は1日としてない。そしてその営みを間近で感じ取ることができるのが、釧路川を下るカヌーツアーである。
「たとえば4月中旬、釧路川の上で聴くウグイスの初音は格別です。5月下旬の楽しみは、川岸に咲くサクラと芽吹きヤナギのまぶしさで、6月に入るとハンノキとヤチダモが時をずらして芽吹いていく。この時期は特に生命の躍動を感じます。そしてヨシが大きく成長する7月中旬から8月中旬。この1カ月間は釧路湿原がグリーン一色に覆われる季節です。そこから秋は早足でやって来て、まず広葉樹が色づき始め、あとからカラマツが黄金色に輝く。釧路湿原の紅葉は2度楽しめるのです」
それぞれの情景を思い出すように、陶然と語る斉藤さんの話はとめどなく。冬もまた魅力的だと語る。
「青く冴え渡る空に、白い湿原と霧氷の樹木のコントラストが美しい。キーンと冷え込む朝ほど、なにか良いことがあるのがウインターカヌーの面白さです。シャラシャラと音をたてながら流れるシャーベット氷や、薄い氷の上に咲く氷の結晶『フロストフラワー』、そして川面から立ち上る冬の霧『けあらし』など。これら冬の風物詩に遭えた時は感激します。そして、これは私もカヌー上からはまだ数度しか見たことがない希少な現象ですが…。-20℃を超える特に寒い朝は、太陽の光を浴びてキラキラと舞うダイヤモンドダストに遭える可能性もあります」。
いずれも運が良ければ居合わすことができる、自然の芸術であり神秘。斉藤さんの言葉どおり1年365日がベストシーズンだ。その瞬間ごとの輝きがある。

canoeguide_1.jpg(株)釧路マーシュ&リバーは「予約受付から、帰宅後2週間までがツアー時間」をモットーとし、ツアー中に撮影した写真を後から無料で送るサービスも喜ばれている。
http://www.946river.com/

canoeguide_3.jpg 初夏から初秋にかけての早朝は、朝霧が立ちこめ幻想的。

canoeguide_5.jpg白い湿原をゆくカヌーツアー。ドライスーツで安全対策をしているからこそ、安心して冬も楽しめる。

 

釧路湿原の鼓動を感じて誰もが表情を変える

斉藤さんが釧路湿原でカヌーガイドとなってからもう20年以上になる。フィールドとしている釧路川下流域は蛇行が多く、雄大で初心者でも安心して楽しめるエリアであるため、都会から訪れる人が多い。
「普段は忙しく働いている方たちが、少し緊張した面持ちでやって来ます。ところがカヌーに乗り込み、川面を滑り出したとたん表情が一変し、ツアーを終えた時は心身ともにリフレッシュした明るい顔に変わっています。それが何よりうれしい」と話す斉藤さん。
釧路川下流域では、カヌーがスーッと滑るように進んでゆく。その独特の感触を楽しみながら水鳥の目線となり、風の音と、パドルが水をかく音しか聞こえない静寂の世界へと旅をする。そうした湿原時間に包まれて、人々は安らぎや感動を覚えるのだろう。

canoeguide_2.jpg夏、斉藤さんが主にガイディングを行っている釧路川下流域。

自然を尊重しつつ楽しむエコツーリズム

釧路湿原には国の特別天然記念物であるタンチョウを始め、多くの動植物が生息している。だからこそ斉藤さんは、自然を壊さず尊重しながら楽しむエコツーリズムを重視している。
時にはタンチョウが魚を捕っている場面にも遭遇するが、距離を置きながらそっと通り過ぎている。近寄って行けばツアー客を喜ばせることはできるだろうが、それはしない。カヌーの舳先を向けてしまうと、タンチョウは攻撃されると思い飛び立ってしまう。そればかりか、もうその場所に来なくなる可能性さえあるからだ。
「当たり前のことです。お客様もちゃんと理解してくださいますよ」と斉藤さんは言うが…。自然との接し方まで教えてくれるそのエスコートは、懐が深くて温かい。

canoeguide_4.jpg夕日に染まるトワイライトカヌーも思い出深い

※ツーリング写真はいずれも(株)釧路マーシュ&リバーの撮影。

 

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釧路湿原ネイチャーガイド・釧路川カヌーガイド
斉藤 松雄 Matsuo Saito

北海道認定アウトドアガイド(カヌー・自然)、(株)釧路マーシュ&リバー代表取締役。
釧路川カヌーネットワーク事務局や、北海道アウトドア資格制度推進委員会委員、北海道アウトドア資格制度実技試験審査員などを担い、安全対策の連携やアウトドアガイドの資格取得・レベルアップを促す活動にも取り組んでいる。1962年生まれ、釧路市出身。

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