釧路湿原の神・タンチョウ1 ダンシング・サルルンカムイ

釧路湿原の神・タンチョウ1
ダンシング・サルルンカムイ

釧路湿原に棲む鳥類の頂点に君臨するのは、オジロワシでもなく、シマフクロウでもなく、特別天然記念物であるタンチョウだ。端から端まで2メートルを優に超す翼を広げて空を駆ける姿は、日本最大級の鳥というだけではなく、あんぐりと口を開けて見とれるほど優雅そのものだ。かと思えば、ひな鳥を狙うキタキツネを鋭いくちばしで瞬く間に刺し殺す強さと猛々しさも兼ね備えている。“鶴のひと声”が鳴り響けばこちらの身もすくむ、よくよく見ればその目もかなり恐い。アイヌの人々がこの鳥をサルルンカムイ=湿原の神と呼んで敬ったのもうなずける。私たち日本人にとっても、丹頂という名前のとおり頭頂部の丹、つまり赤い色が日の丸を想起させ、一層のシンパシーを掻き立てるのだ。

エサをめぐるタンチョウとオオワシの格闘。オオワシは天然記念物、タンチョウは特別天然記念物。

そして、神さまもまた恋をする。2月から3月にかけてタンチョウは繁殖期を迎える。相手の歓心を買うために、あるいはライバルを威嚇するために、大きな声で鳴いたり、翼を広げて飛び跳ねたり、ディスプレイという派手な求愛行動やダンスを繰り返す。シャッターチャンスはこのときだ。ダンシング・サルルンカムイたちで、湿原はディスコとなる。5月から6月ころにはひなが誕生し、夫婦協力して子育てが始まる。タンチョウは夫婦間、親子間の愛情がひときわ細やかであることでも知られているのだ。

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