摩周湖の魅力1 天に星、地に水。

摩周湖の魅力1
天に星、地に水。

ここに、ひとつの不思議がある。切り立った崖に四方を囲まれ、静かに限りなく透明なブルーに輝く湖水。その色は摩周ブルーと呼ばれている。青、藍、紺、群青、瑠璃、水色、空色、そのどれでもなくどれでもあるような、見ている人の肺の中まで染めてしまいそうな深いブルーだ。摩周湖には出入りする川が一本もない、という。清冽な水がどこかの川から流入することもないし、どこかへ流出することもない。

「私はいつもここにいる」と摩周湖の水は言っている。流れなければ水はよどむ、と常識は教えてきた。方丈記の「行く河のながれはたえずして、しかも本の水にあらず」は水の自然である。それにもかかわらず、世界各地で透明度調査が実施されて以来摩周湖は流れもせずよどみもせず、つねに世界最高ランクの透明度を誇り、いまも神秘的なくらいにブルーである。なぜなのか? これもまた自然だから、なのか。研究者にとってはもはや常識かもしれないが、旅人にとってはそれが不思議でならない。

展望台に立ち旅人が一人でさかんに不思議がっていると、いつの間にか日が落ち、摩周ブルーが濃さを増してくる。と、今度は壮大な夜空のショーが始まった。最初は遠慮がちにぽつんぽつんと、やがて闇が濃くなるにつれ、気がつけばすでに満天の星である。一瞬、星々が見上げている顔の上に落ちてくるような感覚におそわれる。海抜351メートル、すっぽりと高いカルデラ壁に守られた摩周湖は人の侵入や周囲の影響を受けづらく、地球環境のモニタリング調査の対象となっているほど空気のきれいな場所でもある。一つひとつの星がくっきりと輝きながら、宮殿の天井もかくやと思われる巨大な黄金の天幕が張りめぐらされる。いまここで、もし許されるならワーグナーの「タンフォイザー序曲」を大音響で聴きたい、とふらちなことを思ってしまった。

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